努力をしていると、なかなか成果や結果が追いついてこない苦しい時期を経験する人は多いのではないでしょうか。
ひょっとして「頑張っても意味がない」「努力は必ず報われるなんて嘘」そう感じてしまうこともあるかも知れません。
この記事では、そういう状態の時に陥りやすい問題と、知っておいたほうが絶対的に役立つ知識を書いていきます。
最初にお伝えしておくと、全ての努力が「あなたの思ったとおりに、報われる訳ではない」ですが、努力が報われるまでの間に起きる様々な出来事に対して、この記事の内容を知っているのといないのとでは、対処の仕方や気持ちの持ち方に天と地ほどの差がつくと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
「努力が苦しい」その理由
評価軸を他人に置いている
学生時代の勉強も想像していただくとわかりやすいかも知れませんが私達には、小さい頃から他人に自分の努力を認めてもらわないといけない機会というものが常に、沢山あったのではないでしょうか。勉強でならいい点数を取るために頑張り、プライベートでは誰かに褒められるために頑張ったという方も多くいると思います。私達はなんにしても小さい頃からなにかしたら誰かからの評価を意識せざる得ない環境にいたということは事実です。
その名残を受けている人がよく陥るのが、この問題です。
結論から言うと褒められたいからとか、認められるためになどの軸での努力は、相手から欲しいリアクションが貰えることが前提でのアクションなので、ある意味で人の顔色を伺っているということになります。
それは、物事を達成するという目的での自発的な努力ではなく結局その評価軸が他人なので報われない結果に陥りやすいいです。
必要なのは、誰かから評価してもらうために努力するのではなく「自分自身でしっかりと目標を設定し、それを目指して自分ができる最大の努力をすること」です。他人の評価は関係ありません。
明確な目標や期限を決めていない
仕事でもなんでもそうですが努力する時には明確に目標を決めることです。
明確な目標を持たずに努力だけを開始してもその努力の仕方が間違っていたり、達成のために何をするべきかや計画を持っていないと思うように成果が残せなかったり、手応えを感じる事が難しくなってきた時に心が折れてしまいます。
大切なのは、期限を決めて、その達成に向かって(ゴールから逆算して)努力を行うことです。
目標設定の仕方は、SMARTの法則という日々の営業活動から個人の目標まで、より良い目標を設定するのに役立つ法則があるので、記事を貼っておきます。
興味ある方はまた覗いてみてください。
努力の仕方が間違っている
目標設定を行い努力を続けても結果や成果が出ないという人の原因は「努力量が足りない」か「努力の仕方が間違っている」かのどちらかだと思います。
「努力量が足りない」というのは、周りの人や、同じことをやっている人の(ちょっと自分より進んでいる人のものを見つけて、参考にするとイメージしやすいと思います)Blogなどをネット検索してみると他の人がどれくらいの努力を平均で行っているかがわかるので、自分の努力量が適切かどうかがわかると思います。
「努力の仕方が間違っている」というのは、わかりやすく例を上げると「対して、重要でもない書類制作に時間をかける」「野球が上手くなりたいと言っているのに、野球の練習ではなくなぜか声出し練習ばかりをがんばっている」
このように努力の仕方を間違えている事というのは、結構身近でも沢山起きているであろうことが想像していただけたと思いますが、厄介なことに努力の仕方を間違えている人はその事に気が付かないまま、結果が出ないと「努力が足りないせいだろう」と考え、量を増やしやすい傾向があります。が、結果的に努力の仕方が間違っているのでどれだけ目指したゴールに到達出来ることはありません。結果的に努力は報われすに終わります。
大切なのは、目標を設定する段階で、達成のために必要な努力がどんなことで、どれだけの期間を費やす必要がありそうかなどの「基準」と「方法」をしっかりと把握してから行う事が重要です。
継続的に努力を続けることが苦しい理由
コンフォートゾーンという(快適な空間)という自分にとって状況や環境に不安を感じない心地良い空間の周りに、「ラーニングゾーン(学びの空間)」という自分の能力を超える仕事やスキル、未知の体験をするときに不安がある状態があります。
人間には皆、成長するためのプロセスで、このコンフォートゾーンから出て、そのコンフォートゾーンの外側にあるラーニングゾーンに身を置き、その環境に慣れる努力をしていくことで「変化」「成長」していくことになりますが、それには必ず痛みを伴うとされています。この痛みを無意識に脳が嫌がり避けようとして、精神的なサインを「めんどくさいという感情」「不安感」「恐怖心」など様々な形で私達の心や体に送ってきます。これを真に受けてしまうと、継続的な努力が続かないということになります。
「心理学的ホメオスタシス(心理学的恒常性)」
無意識に行動していた慣れた場所(状態)に今までいたとして、そこからもう一度これをもう一度居心地の良い状況に変えよう(戻そう)と意識的に努力することで、人は成長するということを見てきましたが、この分岐点は、わかりやすく書くと「今いるこの場所をもう一度居心地の良い状況に変えよう」という現状で頑張るという選択と、「もう一度居心地の良いあの場所に戻ろう」と始める前の状態に戻ることを選択するかの違いです。
この心理的な働きを「心理学的ホメオスタシス(心理学的恒常性)」といいます。
※生物の体は一定の状態を保とうとする働き
生物体が外部環境の変化や食物の影響にもかかわらず、体温 ・ 血糖値 ・ 血液酸性度などの生理的状態を一定に保つこと、およびその仕組み。主として自律神経系と内分泌系の働きによって維持されるが、血液の緩衝作用や、腎臓の浸透圧調整作用も重要である。
コトバンク引用
このホメオスタシスが働くことで、私達はコンフォートゾーンという「安心感」を手に入れることができているのですが、報われる努力を行うためには、このコンフォートゾーンの中にずっといるという「チャレンジしない自分」を諦める必要があります。そのために有効なのは、環境を変えることと、自己効力感を上げることです。
環境を変える
コンフォートゾーンの中にずっといるという「チャレンジしない自分」を諦めることが出来ると、「心理学的ホメオスタシス(心理学的恒常性)」が今いる場所を居心地の良い場所に変えようという働きを行い始めるので、最初は苦しくても次第にかけた負荷(努力)に慣れていきます。
なので、最初から覚悟決めることが出来ないよって人は、いっそのこと実家暮らしなら一人暮らしをしてみたり、夢を叶えるために今の職場が時間が取れないならスキルアップのために思い切って職場を変えたりなど今いる環境を強制的に変えるというのは、本当に有効打だと思います。
報われる努力をするために知っておきたい3つのステップ
「比例変化」
比例変化とは、自分の投じた努力に比例して変化がきちんと起こる状況の事を指します。
例えば、筋トレも始めたばかりのころは、運動量に伴って筋肉がついたり、筋肉痛がやってきますがこれが、比例変化です。多くの人は、継続的に努力を続ける中でこのような変化が感じられなくなったことをきっかけに、そこで投げ出してしまったり、飽きてしまったりするケースがほとんどです。
「逓減変化」
次に「逓減変化」というのがくるこれは、努力に対する変化の度合いが徐々に小さくなっていく状態の事を指します。
何事もある程度のレベルに上達してくると、何か「カベ」のようなものに当たり、成長が鈍る時期が来ます。
この状態の時は、スランプに陥るとも表現されますが、いつもと同じことをしているのに、変化がないことに自信を無くしたり悩んだり、不安定になりやすい時期でもあります。
でもそれでも努力を続けるといよいよ「非連続的変化」という変化が起きる。
「非連続的変化」
ときに私達は、努力しても、努力しても、状況になかなか変化が表れない期間を経験しますが、それでも努力を止めなかったとき、ふと、突然に階段飛ばしをしたかのようなジャンプアップの変化を体験する時があります。
これは、体つきは変わらないのに、ずっと上がらなかった「ダンベルやベンチプレスが突然上がり始める」、「わからなかった英語の歌詞や単語の意味がはっきりと解る」など、(頭で考えるのではなく、すっと体が動く、無意識にできる、解る)状況が起こると言ったほうがいいかも知れません。
これは能力の基礎レベルがぽんと変わった瞬間という表現が近い表現だと思いますが、これが非連続的変化というやつです。
努力が報われるうえで、よく表現される「突き抜ける」というのはこの非連続的変化の状態を指します。
おわりに
もし、今なにかこれを読んでいるあなたに努力している事があるならそれは、それはなんのためにしている努力なのか?目標の建て方や努力の方法は間違っていないかを一度考えてみてほしいと思います。
どれだけ頑張っても全ての努力が報われるわけでは、無いと思います。
ですが、この記事に書いたことを意識していただいて、計画を立て適切にコンフォートゾーンを抜ける過程での心境と状態の変化に向き合っていただければ、努力が報われる可能性は飛躍的に高くなるはずです。
でももしやるだけのことをやって、それでも達成出来なかったその時には「自分の納得できる努力をしたんだから、いいじゃないか」と自分自身を許す事も大切です。たとえ他人に評価されなかったとしても、自分で自分の努力に納得できる限り、あなたの努力は必ず報われると言えるのではないでしょうか。